HPを作らずにLPとECサイトのみで事業を回すことのデメリット
近年、LP(ランディングページ)とECサイトのみで事業を運営する企業が増えています。LPはコンバージョンを目的とした1ページ完結型の構成で、ECサイトは商品の販売を目的としたサイトです。しかし、これらに頼ることで生じるデメリットもあります。本記事では、HP(ホームページ)を持たずにLPとECサイトだけで運営する際のリスクについて解説します。
1. 企業の信頼性・ブランド力の低下
ホームページは企業の公式情報を発信する場です。会社概要、事業内容、理念、実績などを詳しく掲載することで、顧客や取引先に信頼感を与えます。しかし、LPやECサイトは基本的に商品やサービスの購入を促すことがメインであり、企業の全体像を伝えるのには不向きです。これにより、
- 企業の実態がわかりにくい
- 顧客が不安を感じる
- BtoB取引の信用を得にくい
といった問題が発生する可能性があります。
2. SEOの弱さと集客の限界
HPを持つことで、ブログやニュース記事を活用したコンテンツマーケティングが可能になり、検索エンジンからの流入を増やすことができます。しかし、LPは基本的に1ページのためSEOに弱く、ECサイトも商品ページがメインでコンテンツが少ないため、オーガニック検索からの流入が期待しづらくなります。その結果、
- SEO対策が難しく広告頼りの集客になりがち
- 長期的な集客基盤が築きにくい
- 検索経由での新規顧客獲得が難しくなる
というリスクが伴います。
3. 購入前の情報提供の不足
顧客が商品やサービスを購入する前に、企業の信頼性や詳細な情報を知りたいと考えるのは自然なことです。HPがあれば、企業のストーリーや製品開発の背景、導入事例、よくある質問(FAQ)などを提供し、購入の意思決定を後押しできます。しかし、LPやECサイトのみでは情報量が限定されるため、
- 購入検討中のユーザーが離脱しやすい
- 商品・サービスの詳細な魅力を伝えにくい
- 問い合わせやサポートの負担が増える
といった課題が生じます。
4. 広告費の増加と費用対効果の低下
LPとECサイトのみでの集客は、リスティング広告やSNS広告に依存することが多くなります。広告運用を続けるには一定の予算が必要であり、広告費が増えると利益率が低下します。また、広告の効果が一時的であるため、
- 広告コストが継続的に発生する
- 競合が増えると広告単価が高騰する
- 広告を止めると売上が急減する
といったリスクがあります。HPを持ち、コンテンツマーケティングを活用することで、長期的に安定した流入を確保することが可能になります。
5. 顧客との関係構築が難しい
LPやECサイトは、主に短期間でのコンバージョンを目的としています。そのため、顧客との長期的な関係を築くための仕組みが不足しがちです。HPがあれば、企業ブログやメルマガ登録、問い合わせフォームなどを活用し、
- 企業のファンを増やせる
- 定期的な情報発信ができる
- 長期的なリピーターを獲得できる
といったメリットを享受できます。
まとめ
LPとECサイトのみでの運営は、初期費用を抑えやすく、短期間で成果を出しやすいというメリットがあります。しかし、
- 企業の信頼性の低下
- SEOに弱く集客が広告頼りになる
- 購入前の情報提供が不足しコンバージョン率が下がる
- 広告費が増加し利益率が下がる
- 顧客との長期的な関係構築が難しい
といったデメリットも無視できません。
長期的に安定した事業運営を行うためには、HPを併設し、SEOを活用したコンテンツマーケティングやブランド構築にも力を入れることが重要です。LPとECサイトだけで運営を考えている方は、ぜひHPの重要性も考慮してみてください。